肩が痛い方へ

肩のお悩み

肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)

40代や50代の方に起こりやすい肩関節の炎症を、一般的に五十肩(人により四十肩)といいます。
正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれています。肩は体中の関節の中で最も広い範囲に動かすことができるため、複雑な構造になっています。
その分、機械的にスムーズな動きが妨げられると、擦れ合わせが悪化し、炎症が起きやすい関節です。
ケガをしていないにもかかわらず、年齢とともに関節をスムーズに動かすための構造が少しずつ痛んでくる(すり減り)ため、腱板部分の痛みとそれに伴う関節包の縮小と肥厚が生じ、日常生活で痛みを伴い動かせる範囲が狭くなってきて、さらに夜間の痛みが生じます。
このような状態になった場合は、自然治癒することが困難で、ヒアルロン酸と痛み止めの注射ならびに痛みが出ないようなストレッチ運動による治療が必要です。レントゲン検査での異常やMRI検査で腱板断裂が無いか検査を行います。

~五十肩の新しい治療法~サイレント・マニュピレーション(非観血的関節授動術)

肩の動きが強く制限された五十肩の症状が長引くと、リハビリやヒアルロン酸と痛み止めの注射では改善が不十分な場合があります。通常の治療を行っても耐え難い痛みが改善しない場合「サイレント・マニュピレーション(非観血的関節授動術)」を行うことができます。
サイレント・マニュピレーションは局所麻酔を行い、徒手的に悪さをしている関節包を解離し、肩の動きを回復する治療法です。麻酔を行ってるので施術中は無痛で、入院せず日帰りで行えることから患者様にかかる負担を大幅に軽減することができます。

治療の流れ
  1. エコーガイド下に肩周囲にいく神経に麻酔をかけます。
  2. 徒手的に肩を動かし、肩を挙げたり回したりする動きを改善します。
  3. 施術後は数時間腕に力が入りませんので、三角巾等で腕をつるしてご帰宅していただきます。
    麻酔から施術終了まで、約30分程度で終了となります。
    また、再び肩が固まらないようにリハビリ治療も継続します。

腱板断裂、腱板部分断裂

肩の痛みの中で、いわゆる五十肩(肩関節周囲炎)と間違われやすい症状があります。肩を動かすと痛いのですが、運動制限(動く範囲が狭くなる)は少なく、手(肩)の上げ下げの途中(特に、横上げの途中で)痛みが生じるのが特徴です。
これをインピンジメント・サインといい、切れた腱板が肩甲骨の一部(肩峰)と衝突して、擦れるためコキン、コキン(ゴリ、ゴリ)などと音がすること(軋轢音)もあります。
レントゲン検査で肩峰の一部に骨棘(ほねのとげ)が観察され、MRI検査やエコー(超音波)検査で腱板の断裂が確認された場合は、いわゆる五十肩とは異なる治療をします。
保存的治療として、痛みだけを和らげる治療あるいはヒアルロン酸で動きを滑らかにする治療があります。腱板の切れたところが治るわけではありませんが、痛みという症状を軽くしてくれる効果は80%の方にみられます。ただし、腱板の切れ目が拡大することが多く、症状が悪化する人もいます。
その場合には、手術を行い腱板の断裂を関節鏡で見ながら、あるいは小切開を加えて元の位置に近い腕の骨に縫い付けます。アキレス腱が切れた時と同様に、手術後に約1か月間固定(外転枕固定など)を行い、リハビリを継続します。

肩の脱臼癖(反復性肩関節脱臼・亜脱臼)

肩のケガの後に脱臼がくせになったもので、10代後半から20代に多くみられます。スポーツの障害になるもの、日常でも繰り返し脱臼するあるいは脱臼しかかる(亜脱臼)が顕著なものでは、手術的な治療が必要になります。一般的には関節鏡視下関節唇形成術を行いますが、コンタクトスポーツ では直視下で関節唇を縫合し、烏口突起を移植して脱臼しないような強力な防護壁を作るBankart+Bristow法を行うことをお勧めします。

鎖骨骨折

転倒などで肩を強く打って、鎖骨が折れることがあります。キズが無ければ骨折部を冷やして三角巾などで固定することが、ケガの直後の治療です。
その後の治療として、成長期(小児期)の鎖骨骨折は、一般的に手術をしないで、鎖骨バンドなどの外固定で骨のつくのを待つのが一般的です。
成人の鎖骨骨折も、ずれ(転位)が少ないものでは同様に外固定で治療するのが基本です。しかし、骨の折れ方によって、例えば、骨がいくつかに分かれて折れている(大きな第3骨片がある)場合またはズレ(転位)が大きい場合あるいは神経・血管障害を合併した場合は金属製のプレート、スクリュウなどで手術を行い(内金属固定)ことが必要になります。
さらに鎖骨の外側の骨折(鎖骨遠位端骨骨折)の場合は、特別な金属製のプレートやスクリュウ、鋼線などを使って骨を内固定します。

肩鎖関節脱臼・亜脱臼

鎖骨の骨折と症状は似ていますが、骨が折れずに、鎖骨の先端が上方にずれるのが、肩鎖関節脱臼・亜脱臼です。ズレの程度がひどく(RockwoodのgradeⅢ以上で)、若年者あるいは競技スポーツ選手の場合は、手術法として、Cadenat法により肩鎖関節の整復、烏口鎖骨靭帯、肩鎖靭帯再建術を行うことをお勧めします。亜脱臼の場合などでは、スリングなどの外固定をお勧めしています。

肩投球障害(インピンジメント症候群)

中学生、高校生の成長期の投球障害では、リハビリ、筋力トレーニングなどの保存療法を積極的に行います。症状がよくならないものは、MRI検査などを行った上で、鏡視下肩峰形成術を行うこともあります。

投球障害(肩関節唇損傷)

投球障害のうち、繰り返しの疼痛のため投球時の痛みが強く、球速が50%以下(20-30m程度のキャッチボール以上は不可能)な場合が継続することがあります。
その場合は投球テストすなわち痛み止めの注射を関節内に注射したあと痛みなく投球できるようになるか確かめます。
引き続きMRI検査を行い関節唇の剥離が明確で、関節唇の損傷が痛みの原因であると考えられた場合は、関節鏡を用いて、関節唇部分切除あるいは関節唇形成術を行います。

外側野球肘

投球をしすぎて肘関節の上腕小頭の軟骨が剥がれて、関節ネズミ(関節内遊離体)ができて、そのため肘が動かせなくなった(locking を生じる)ものでは、遊離体切除術を行います。肘の関節内で上腕骨小頭の骨軟骨異常(離断性性骨軟骨炎)がある場合は、骨軟骨移植術(モザイクプラスティ)を行います。

内側野球肘

成長期(中学、高校生)では、肘の内側の骨の成長に伴い骨がはがされているもの(剥離骨折)では、まず、4週間の投球休止をして、骨の癒合を待ちます。成人で内側側副靭帯の断裂があり、投球不能例では、手首の腱移植術によるトミー・ジョン手術(Tommy John Surgery)内側側副靭帯再建術、別名Jobe(ジョーブ)法を行います。

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